ナツミのお母さん
亡くなった親友のスマホを預かる、そのお母さんとのやりとりです。電源を切ってしまったはずのスマホから、平日の夜、同じ時刻にメッセージが届きます。
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この記録は『遠くに越した友だち』の続報です。先に読むと、より分かります。

管理人 くろこ
9月18日(金)
9月21日(月)
9月24日(木)
9月25日(金)
9月26日(土)
9月28日(月)
9月18日、ナツミのスマホから、お母さんの名前で知らせが届いた。8月の終わりに山あいの町へ越したナツミは、9月4日の夜に亡くなっていた、と。新しい職場でつらいことがあったようだ、とも。
9月1日から4日まで、ナツミは毎晩、職場のことを送ってきていた。机がなかったこと、昼休みがひとりだったこと。わたしはそれを全部、消さずに残してある。
ナツミの職場は、山あいの町の小さな会社だ。ナツミに見せてもらった求人の連絡先は、末尾が2811の番号だった。これは、そのあとのお母さんとのやりとりだ。
亡くなった親友のスマホを預かる、そのお母さんとのやりとりです。電源を切ってしまったはずのスマホから、平日の夜、同じ時刻にメッセージが届きます。
›ヒント1
電源を切ったスマホから届く「おわった〜」。届くのはいつも、平日の22時4分です。
›ヒント2
会社が机を片づけたのは、9月2日の朝でした。9月1日の夜、ナツミは何を送ってきていたでしょう。
›解説を読む(ネタバレ)
ひとことで言うと
ナツミは引っ越した夜に死んでいた。出社は一度もない。
そう言える理由
- 1
「机がなかったこと」
→ 机がないのは、初日から来ない社員の机として片づけられたから。
- 2
「来なくなった人の机だから、と言われました」
→ いじめではない。会社の人は、ナツミに一度も会っていない。
- 3
「引っ越した8月31日の夜、荷ほどきの途中だったそうです」
→ 9月1日の「初出社」から、送ってきていたのはもう亡くなったナツミ。
記録室の追記
ナツミさんの会社では、今も朝になると、倉庫にしまったはずの机がひとつ、フロアの隅に出してあるそうです。
ユイさんには、平日の22時4分に「おわった〜」が届きます。
›もっと詳しく
ナツミは引っ越した8月31日の夜に亡くなっていて、会社には一日も行っていなかった。会社が9月2日の朝に机を片づけたのは初日から来なかった社員の机だったからで、机がないこともひとりの昼休みも、誰にも見えないまま出社していたナツミが見たものだった。ナツミは自分が亡くなったことを知らないまま、今も平日の22時4分に「おわった〜」と送ってくる。
入口は、引き出しの中で電源の切れたスマホから届く「おわった〜」です。届くのは平日の22時4分だけ。前の記録で、9月1日の夜に「初出社おわった〜」が届いたのと同じ時刻です。ナツミは亡くなったあとも、あのつらい職場に通い続けている。ユイもお母さんも、そう読みました。
けれど会社の人は、ナツミに一度も会っていませんでした。初日に来なかった新人の机を、9月2日の朝に倉庫へ片づけただけです。警察が最初に言った「9月4日」は、最後にメッセージが送られた日でした。ナツミは引っ越した夜、荷ほどきの途中で亡くなっていて、9月1日の「初出社」から、誰にも見えないまま会社へ通っていたのです。机を倉庫から自分で出し、ひとりで昼を食べ、先輩たちを「ちょっとこわい」と書いたのは、自分が亡くなったことを知らないナツミでした。

管理人 くろこ
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