遠くに越した友だち
新しい職場へ引っ越した親友とのメッセージです。しばらく既読がつかなかったあと、今度は既読がつくのが早すぎます。
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管理人 くろこ
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親友のナツミは、8月の終わりに、新しい仕事のため山あいの町へ引っ越した。大学からずっと、歩いて五分のところに住んでいた。
引っ越しの前の日、機械に弱いわたしのために、ナツミは買い替えたばかりのスマホの設定を全部やってくれた。
新しい職場のことは、あまり話してくれなかった。「大丈夫」と言うから、わたしもそれ以上は聞かなかった。
新しい職場へ引っ越した親友とのメッセージです。しばらく既読がつかなかったあと、今度は既読がつくのが早すぎます。
›ヒント1
ナツミは、どうしてユイの服や、部屋の電気のことを知っているのでしょう。スマホを替えても、変わりませんでした。
›ヒント2
9月4日の「ありがとね」。そのあと、既読がつかなかった数日間に、何があったのでしょう。
›解説を読む(ネタバレ)
ひとことで言うと
ナツミは9月4日に亡くなっていた。そのあとの返信は、誰が。
そう言える理由
- 1
「ユイ、ありがとね」
→ 本当のナツミから届いた、最後のメッセージ。
- 2
「ごめん。もう大丈夫になったよ」
→ もう、つらい場所にいなくてよくなったという意味だった。
- 3
「充電して電源を入れたのは、今朝がはじめてです」
→ 9月8日からの返信は、電源の切れたスマホから届いていた。
記録室の追記
ユイさんの部屋では、今も、送る前に既読がつきます。
電気を消して眠るようになってから、足はつめたくなくなったそうです。
›もっと詳しく
ナツミは新しい職場でつらい思いをし、9月4日の夜に部屋で亡くなっていた。スマホはその後ずっと電池が切れたまま、机の上にあった。9月8日からユイの部屋にいたのは、「いつでも帰っておいで」の言葉どおりに帰ってきた、ナツミだった。
ナツミは最初の三日間、机がないこともひとりの昼休みも「大丈夫」と笑っていました。9月4日の夜の「ありがとね」を、ユイは深く考えませんでした。既読がつかなかった数日のあいだに、ナツミはもういなかったのです。
送る前につく既読は、ユイが打つ画面をそばで見ていたから。何度かけても電話がつながらなかったのは、スマホの電池が、とうに切れていたから。電気を消して寝ろと言い、会いに来なくていいと言ったのは、もう帰ってきていたからでした。
続報あり
この記録には、その後の記録が届いています。
ナツミのお母さん ›

管理人 くろこ
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