恋人が早起きになった
用水路に落ちて入院した恋人の、前のアカウントに送ったメッセージです。退院してから、彼は毎朝六時に、落ちた用水路のほうへ出かけていきます。
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管理人 くろこ
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九月十四日の夜、同棲している湊は、ランニングの途中で用水路に落ちた。見つかったのは翌朝で、霜見中央病院に五日入院した。スマホは、防水のケースごと、水の中から見つからなかった。
九月のはじめ、湊から別れ話をされていた。十月にはこの部屋を出ていく、と。あの夜のことがあってから、その話は一度も出ていない。
退院した湊は、新しいスマホにした。前のアカウントには、もう誰もいない。だから、本人に言えないことは、ここに書いてきた。
用水路に落ちて入院した恋人の、前のアカウントに送ったメッセージです。退院してから、彼は毎朝六時に、落ちた用水路のほうへ出かけていきます。
›ヒント1
帰ってきた湊さんは、毎朝六時に用水路で何をしているのでしょう。夜中に千夏さんに聞いたことも見てください。
›ヒント2
22時48分からの既読が、すべて同じ「6:40」なのはなぜでしょう。九月のはじめに湊さんが話したことも、思い出してください。
›解説を読む(ネタバレ)
ひとことで言うと
あの夜、湊を用水路に押したのは千夏だった。
そう言える理由
- 1
「十月にはこの部屋を出ていく」
→ 別れ話をされていた千夏には、湊を行かせたくない理由があった。
- 2
「こっちはもう誰も見てないよね」
→ 千夏は、スマホが見つからないことに安心していた。
- 3
「ちな、なんで押したの」
→ スマホを見つけた湊は、あの夜のことを覚えていた。
記録室の追記
湊さんは、十月一日のうちに部屋を出ています。
千夏さんは、いまもこのアカウントに書いています。既読は、もうつきません。
›もっと詳しく
九月十四日の夜、湊を用水路に押したのは、別れ話をされていた千夏だった。22時48分からのメッセージは「家にいた」ことにするためのもので、千夏はスマホが見つからないことに安心して、ここに書いていた。湊は覚えていないふりをして毎朝スマホを探し、十月一日の6時40分に見つけて、すべてを読んだ。
入口は、帰ってきた湊さんの変わりようです。料理をするようになり、休みの日も六時に起きて、落ちた用水路のほうへ出かけます。夜中には千夏さんの顔を見つめ、あの夜どこにいたかを聞きます。新しいスマホは手放しません。千夏さんは浮気を疑ってあとをつけ、湊さんが用水路をのぞきこんで何かを探しているのを見ています。
湊さんは、あの夜のことを覚えていました。千夏さんの作ったものを残し、夜中に顔を見張り、覚えていないふりをしながら、落ちた夜のスマホを探していたのです。既読がすべて6:40なのは、十月一日の朝、見つかったスマホで一度に読まれたから。9月15日の朝7時12分の一通にも、その時刻の既読がついています。

管理人 くろこ
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