こうかんノート
小学五年生ふたりの交換ノートです。さなちゃんの家の、かぎのかかった二階の物置から、夜になると音がします。
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- 人怖
- 家族
- 心霊なし


管理人 くろこ
9/1 りん 2学期もよろしく! こんど、さなちゃんちにあそびに行っていい?
9/1 さな いいよ。でも2かいはだめ。おじいちゃんの物置。8月に、おとうさんがドアにかぎをつけた
9/2 りん かみどめ、見た? ママが作ってくれた、ひまわりのやつ。ママとおそろいで、世界に2こしかないんだよ
9/3 さな きのうの夜、2かいで、とん、とん、って音がした。おとうさんに言ったら、ネズミだって
9/4 りん ネズミって、とんとんするの? 七ふしぎの5番目みたい
9/7 さな おとうさん、夜おそくに2かいに上がっていく。ネズミのわなを見に行くんだって
9/8 りん さなちゃんのおかあさんって、どこに行ったの? もしかして……
9/10 さな わかんない。おかあさんの話をすると、おとうさんはおこる。きのう、2かいから、はなうたが聞こえた
9/11 りん ぜったい、2かいにいるのはおかあさんだよ。こんど、ふたりでたしかめよう
9/14 さな ひとりで2かいのドアの前に行ったら、中からノックされた。2回。にげた。おとうさんには言ってない
9/15 りん すごい! こんどは、なにか話しかけてみて
9/17 さな きのうの夜、2かいのドアのすきまから、かみどめが出てきた。ひまわりの。りんちゃんのと、同じ形だった
霜見市の小学校に通う、五年生のりんとさな。一冊のノートを、一日ずつ、かわりばんこに書いて、朝の教室で渡していた。
さなの家は、父親とふたり暮らし。古い一軒家で、二階は、施設に入った祖父の物置になっている。母親は、さなが一年生のときに家を出ていった。
ふたりは、学校の七ふしぎのような話が好きだった。
小学五年生ふたりの交換ノートです。さなちゃんの家の、かぎのかかった二階の物置から、夜になると音がします。
›ヒント1
さなちゃんのおとうさんは、8月に物置のドアへかぎをつけ、夜おそくに二階へ上がっていきます。出ていったおかあさんでしょうか。
›ヒント2
りんちゃんのかみどめは、世界に2こしかありません。もう1こは、だれが持っているでしょう。
›解説を読む(ネタバレ)
ひとことで言うと
二階にいるのは、りんちゃんのママだった。
そう言える理由
- 1
「8月に、おとうさんがドアにかぎをつけた」
→ かぎがついたのは、りんちゃんの家からママがいなくなった夏だった。
- 2
「ママとおそろいで、世界に2こしかないんだよ」
→ もう1こを持っているのは、りんちゃんのママだけ。
- 3
「りんちゃんのと、同じ形だった」
→ 二階から出てきたのは、りんちゃんのママのかみどめだった。
記録室の追記
ノートは、9月17日のページで終わっています。さなさんは、その日の夕方、かみどめのことをおとうさんに話したそうです。
りんさんのママは、8月の終わりから、行方がわかっていません。さなさんのおとうさんとは、高校の同級生だったといいます。
›もっと詳しく
さなちゃんの家の二階に閉じこめられているのは、さなちゃんのおかあさんではなく、りんちゃんのママだった。ひまわりのかみどめは、りんちゃんのママの手作りで、世界に2こしかない。1こはりんちゃんの頭に、もう1こは二階のドアのすきまから出てきた。ノックに気づいた子どもに向けて、ママが出した合図だった。
入口は、さなちゃんの家の二階です。ネズミにしては大きな音、はなうた、何年も前に出ていったおかあさん、話をするとおこるおとうさん。二階に閉じこめられているのは、さなちゃんのおかあさんだ。ふたりも、読んでいる人も、そう考えます。
けれどドアのすきまから出てきたのは、世界に2こしかない、ひまわりのかみどめでした。1こは毎日りんちゃんがつけていて、もう1こはママが持っています。りんちゃんは、ノートにママのことを一度も書いていません。ノックを返し、かみどめを出したのは、ドアの外にいるのが子どもだと分かった人でした。

管理人 くろこ
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